レスポール用の加工なし取付OKトレモロユニット「Les Trem」レビュー!
今回、レスポール等のギブソン系やセミアコ等のギターのストップテールピースに加工なしで取付できる、トレモロユニット「Goldo Les Trem」(ゴルドー レストレム)を詳しくレビューしていきたいと思います。
今回はギブソンの「レスポールスタジオ」モデルにLes Tremを装着してみました。
ちなみに、写真のレスポールスタジオは元々オールブラックにゴールドの金属パーツでしたが、ピックガードやエスカッションをブラックからクリームに変更、ノブもブラックからゴールドに変更したものです。
トレモロユニットLes Tremとは?
レスポールタイプやSG、セミアコ等のギブソン系ギター(ストップテールピース付きギター)用のトレモロユニットというと思い浮かぶのは「ビグスビー Bigsby」(下の画像)ですよね。
引用元:amazon
しかしビグスビーはギターボディに加工(ネジ穴あけ※)が必要だったり、重量が重かったり、チューニングの安定性が悪かったり、取り付けるとなるとちょっとしたハードルや懸念材料がありますよね(見た目重視でビグスビーを取り付ける方も多いですが)。
※ネジ穴あけ加工せず取付できるユニットもあります。
そんな、ビグスビーの問題点を少なくしたトレモロユニットがGoldo Les Trem(ゴルドー レストレム)です。
加工の必要なし
まずLes Tremの最大の特徴は、取り付けにギターに加工がいらないことです。
ストップテールピースを外してLesTremをそこに装着するだけです。
5分ぐらいで取付は完了します。そして弦を張れば終了です。
重さ
Les Tremの重量は約200g(正確には195g)、ビグスビー(約300gほど)と比較して軽量と言えるのではないでしょうか。
重いレスポールに装着してもビグスビーよりは重さを感じないと思います。
チューニングの安定性は?
チューニングの安定性は、ストラトキャスターのシンクロナイズドトレモロと同等かちょっと良いといった感じでしょうか。
激しくアームを操作すればチューニングは狂い、ソフトにビブラートをかけるぐらいでしたらほとんどチューニングは狂わないといった感じです。
重量、構造、取付け方
重量
重量は写真の通り195gでした。
ビグスビー(約300g)と比べて軽量ということがわかります。
構造
構造は見ただけでは詳しくわかりませんでしたが、弦のボールエンドを止めるテールピース部分がアームを動かすことによって上下して弦の張力を変えて音程が変わります。
アームを上に引っ張ることによって、アームアップ(音程アップ)も若干でしたら可能でした。
アームダウンで2音〜2音半程度ダウンが可能です。
(アーム角度のセッティングやレスポールの場合ピックガードを外すことによってアームをより押し込めて、もう少し音程ダウンできる場合もあります)
アームアップでは1音程度、弦によっては1音半程度の音程アップが可能です。
アームの長さや角度(高さ)は六角ネジの締め付けで自由に変更できます。
しかし、あまりアームを短くセッティングし過ぎるとアームのお尻がユニットとぶつかってしまいますので気を付けます。
取付け方
取付け方は簡単で、テールピースを取り外したあとネジを抜いて、そこにトレモロユニットLes Tremを取り付けて、付属のネジで締めるだけです。
テールピースのネジ穴の間隔とネジの直径がLes Tremのサイズと同じであれば取付が可能です(ほとんどのレスポールタイプやギブソン系、セミアコ系のギターでは取付可能なのではないかと思いますが、購入前にサイズをよく確かめることをおすすめします)。
ネジにはインチサイズとミリサイズの両方が付属しているので外国製、国内製のギターのどちらでもネジ穴に装着することができます。
ボディとLes Tremの間にワッシャーをかますと、より密着性やフィット感が上がる場合があります。
音の変化
テールピースがトレモロユニットLes Tremに変わっただけでギターそのものの音が変わりました。
元々この写真のレスポールにはダイキャスト製の重いテールピースが付いていたのですが、それをGOTOH(ゴトー)製のアルミの軽量テールピースに変更していました。
それをLes Trem変えた結果の音の印象は、アルミ製よりもさらにアルミの音色を強くした感じになりました。
ダイキャスト製からアルミ製に変えた音の印象は、ボディの木の音を強く感じるようになったり、中音域が豊かになったり、低音が弱くなった(軽い音色になった)と感じていましたが、それがLes Tremになってさらに強調された感じです。
音楽ジャンルでいうと、ディストーションを充分効かせた重めのハードロックよりも、クランチやオーバードライブサウンドのギターを聴かせるロック、ポップス、ブルースなどのジャンルに向きそうな印象を受けました。
Les Tremの重量はアルミテールピースよりも重いので、アルミの時よりも重い音になるかなと思っていましたが、逆にアルミの時より軽く中音域がふくよかになったので、アルミの音が好みだった私にはこの音の変化はうれしい誤算でした。
ギターの生音も、アルミの時よりも大きくなったのがはっきりわかりました。
ミュージシャンの中でもトレモロアームは操作せず、トレモロ付きのギターのサウンドが好みでビグスビー等を装着している人もいるということをよく聞くので、それも今回すごく納得できました。
またLes Trem装着によるボディの鳴りの増加やふくよかな中音域増加は、テールピース部からブリッジにかかる弦の角度が緩やかになったせいによる、弦のテンションが緩くなったことも、そのように音が変化した要因かなとも思いました。
アーム操作した感じ
ストラトキャスターのシンクロナイズドトレモロと比べて、スムーズで柔らかいバネのクッションの動きで、ワンワンワ〜ンと音を揺らすトレモロ効果が得意なユニットと感じました。
Les Tremのアームを大きく動かした時の音程変化は、シンクロナイズドトレモロでは少しアームを揺らした程度と同じぐらいかなと思いました(Les Tremのほうが音程変化の範囲は少ない)。
したがって、シンクロナイズドトレモロのような派手なアームプレイは得意としない印象でした。
しかし、歪ませた音で低音弦を弾いて一気にアームダウンすれば、アーミングのダイナミックなプレイも可能でした。
チューニングの安定性
シンクロナイズドトレモロと比べて、少し安定性は良いかなと思いました(シンクロよりLes Tremは音程変化の範囲が少ないのでそう感じたのかもしれません)。音を揺らす程度のトレモロプレイでしたらほとんどチューニングは狂いませんでした。
ダイナミックなアーム操作をすると、やはりチューニングは狂ってしまいます。ロック式でないトレモロユニットでは仕方がないことだと思います。
その狂い方はシンクロナイズドトレモロと同じぐらいかなといった感じです。
レスポールやギブソン系、セミアコ系のギターの場合は、ヘッドの左右対称の形状により3、4弦がナットからペグまでの弦が折れ曲がる角度がきついので、そのせいか激しいアームプレイでは3、4弦が一番大きくチューニングが狂ってしまいます。
アーミングを色々試してみて(どの程度アーミングすると狂うのか、どの弦が狂いやすいのか等)そのギターのチューニングの狂いの癖を見極めて対処していくといいかと思います。
上記のヘッドの形状によるチューニング狂いを解消するアイテムがあるみたいですね。これ↓とても気になります・・う〜ん。
まとめ総合評価
レスポールやSG等のギブソン系やセミアコ系のギターに加工なしで取り付けられて、簡単にアームプレイが楽しめるという点でとても良い製品だと思いました。
品質は申し分なく、しっかりしていて信頼できる作りと感じました。
価格もビグスビーや他の(レスポール用)トレモロユニットよりも安く、手を出しやすい価格かなと思います。
チューニングの安定性はおそらく、シンクロナイズドトレモロと同じぐらい(または少し良いぐらい)かなと思いました。
レスポールやギブソン系ギターでアームプレイをしたいとずっと思っていた方や、トレモロユニットLes Tremを知ってからずっと頭から離れないで考えているような方は、ぜひ購入をお薦めします。
私もLes Tremの存在を知ってからずっと頭から離れなくなって、この度ついに買ってしまいました(^_^;)
実際使用した今は買ったことにとても満足しています。アームが付いたことによってレスポールを弾くことがさらに楽しくなりました!
追加情報
Les Tremのチューニングの安定性の改善には下記のアイテムを追加すると良いかもしれません。
左右対称ヘッドのチューニング安定
ローラー式サドル ブリッジ
他レスポール、ギブソン系用トレモロユニット
Les Tremと比較したトレモロユニットもご紹介しておきます。
「Les Trem」のYouTube動画
Les Tremの取付や演奏動画で参考になるものを厳選しました。
レスポール スペシャル ダブルカッタウェイ + Les Trem (約3分映像)
レスポール スタンダード + Les Trem (約4分映像)
セミアコ + Les Trem (約16分映像)
Les Trem取付から演奏まで
レスポール デラックス + Les Trem (約3分映像)
ES335 + Les Trem (約14分映像)
レスポール スタンダード + Les Trem (約6分映像)
Les Trem取付から演奏まで
ファイヤーバード + Les Trem (約8分映像)